「話す・言う」の意味がある「talk」と「speak」。基礎レベルの英単語ですが、このふたつの正しい意味やニュアンスを知っていますか?
「talk」と「speak」にはしっかりとした違いがあり、使い分けのポイントは「話し相手の有無」にあります。
使い分けのポイント
speak…話し相手は不要、音声を出す行為
talk…相手とコミュニケーションする
この記事では、英語ネイティブが会話の中で自然と使い分ける「talk」と「speak」の違いを解説します。また、意味が似ている「say」や「tell」の違いもまとめましたよ。
最後に理解度チェックのクイズも用意しました!この記事を読んで、「talk」と「speak」の使い分けをマスターしましょう!
英語ネイティブは「相手と話す」意味で「talk」を使う
「talk」はコミュニケーションのニュアンスで使われます。言葉のキャッチボールをするイメージなので、話し相手の存在は欠かせないのが「speak」との大きな違いです。
発音記号:tˈɔːk
意味:話す、しゃべる
ニュアンス:相手と話し込む
活用:talk-talked-talked
「talk」が使われる場面は幅広いのもポイント。「家族や友達とおしゃべりする」というカジュアルなシーンでも、「~さんと話しました」などフォーマルなシーンでも使えます。
相手と話すシーンでは基本的に「talk」を使えば大丈夫!
「talk」は、話し相手の存在を英文に入れ込む必要があります。この場合、「talk to+人」「talk with+人」の2パターンで表現できますよ。
どちらを使っても違いはありませんが、細かなニュアンスだけ知っておくといいかもしれません。
- talk to…聞き手と話し手が分かれているとき
- talk with…お互いおしゃべりするとき
その他、「talk+about+物事」で、物事について話しあうという表現にもなりますよ。
「talk」を使った基本の英語例文
I talked with my mom on the phone for a long time
お母さんと電話で長いこと話した
Don’t talk to me like that!
そんな口を聞かないで!
He’s talking with his daughter
彼は娘と話しているところだ
We love talking about foods
私達は食べ物の話をするのが大好きだ
どの例文も、お互いに会話をしているニュアンスになっていることが分かりますか?
上級編:ネイティブ流の「talk」を使った英語表現
We need to talk
話があるんだ
※ネガティブな話を持ち出すときのフレーズ。別れ際話を持ち出すときにもよく使われます。
Talk about ~!
まさに~だ!
※何かを強調して表現したいときに使われるネイティブスラング。
Look who’s talking
人のこと言えないでしょ
※「自分のことを棚に上げてよく言えるね」という意味のスラング表現。
英語ネイティブは「声を発する」意味で「speak」を使う!
同じく「話す」意味のある「speak」ですが、音声を出す行為に焦点があたります。
発音記号:spíːk
意味:ものを言う、話す
ニュアンス:一方的に音声を出す
活用:speak-spoke-spoken
話し合う相手が必要な「talk」に対して、「speak」は話し相手の有無は関係なく、音声を出す行為が一方通行になるのが大きな違い。つまり、相手との言葉のキャッチボールが不要なんです。
スマホやテレビのスピーカー(speaker)をイメージするとわかりやすいですね!
「speak」は真面目で深刻な状況やフォーマルなシーンで使われるのが特徴です。また、目的語をとる場合には言語が続き「英語を話す」「日本語を話す」などになります。
speakと結びつきやすい単語
- speak+言語
- speak+会議・セミナー
- speak to 人
「風邪で声が出ない」「喧嘩していて口をきいていない」なども深刻な状況ですよね。こんなケースにも「speak」が使えますよ。
「speak」を使った基本の英語例文
She can speak 3 languages
彼女は3か国話せる
I spoke to customer support regarding the defective product
カスタマーサポートに不良品について話した
I am so looking forward to speaking at the presentation
プレゼンで話すのを楽しみにしています
He can’t speak because he lost his voice right now
彼は今声が出ないので話せないんです
電話で話すシーンでも「speak」を使う!
I’d like to speak to Joe, please
ジョーさんにつないでいただけますか
※電話のお決まりフレーズ
This is Mike speaking from ABC company
ABC社のマイクです。
※電話で名乗る時のお決まりフレーズ。
電話でつないでもらうシーンでも一方的なやり取りなので「speak」です
上級編:ネイティブ流「speak」を使った英語表現
Speaking of which
そういえば…
※何かを思い出したときに使うネイティブの慣用表現
I spoke too soon
早とちりだったよ
※「speak too soon」で「言ったことと違う事がおこる=はやとちり」という意味に。
似ていてややこしい「tell」「say」との違いも解説!
「talk」と「speak」以外にも、同じような日本語訳で使われる「tell」や「say」もありますね。どの単語も「言う・話す」などの意味があり、混乱してしまう方もいるのでは。
使い分けのポイントは大きく分けて2つ。
- 話し相手が必要か不要か
- 焦点が当たるのは行為か内容か
「speak」と「say」は話し相手の存在は不要です。「speak」は音声を出す行為に焦点が置かれ、「say」は発する言葉(内容)に焦点があたります。
言葉のやり取りを必要とする「talk」と「tell」は、話し相手がいないと成立しません。「talk」は相手と話す行為に焦点があたり、「tell」は相手に伝える情報(内容)に焦点があたりますよ。
話し相手 必要 | 話し相手 不要 | |
焦点 話す行為 | 「talk」 相手とおしゃべりする | 「speak」 一方的に話す |
焦点 話す内容 | 「tell」 相手に情報を伝える | 「say」 言葉を述べる |
どれも中学レベルの基本的なものですが、ネイティブが英会話で頻繁に使う重要な単語でもあります!
正しい意味・違いを知っておけると安心ですね。下記記事では、「tell」や「say」の使い分けのポイントを解説しています。気になる方はチェックしてみてください。
「talk」と「speak」の違い・使い分けは完璧?理解度チェックテスト
「talk」と「speak」のニュアンス・意味の違いをお伝えしたところで、最後に理解度チェックのためのテストを用意しました!読んで理解するのと、実際に使い分けできるかはベツモノなので、しっかりとこの機会に復習しましょう。
- talk…相手と言葉のキャッチボール
- speak…音声を出す一歩通行の行為
下記の空欄に「talk」か「speak」を入れて英文を完成させましょう。文脈に応じて過去形にしたり三人称単数の形にするのもお忘れなく!
I( )English and German.
What did you want to( )about?
He always( )so fast.
The prime minister is going to( )on TV.